「まさか後輩にここまで世話になるなんて。 ホントにありがとう。」 俺たちの前でへらへらとしているのは紛れもなく俺の兄貴だ。 ただその目は何かを見据えているかのように、鋭い目付きをしていた。 兄貴が今こうやって俺たちの前にいるのはさかのぼること2時間前──… 七海の一言から始まり、俺はある人物に電話をかけた。 警視総監に。