「楓ぇー」



5限目が終わった後、麻紀ちゃんが話し掛けてきた



「なぁに麻紀ちゃん?」


「王子のことデートに誘ったの?」



麻紀ちゃんは前の席の子のイスに座り、あたしの机に頬杖をついて聞いてきた



「あっ、うん」



「へーで、どうだった?」



「どうだったって、なにが?」



あたしは首を傾げた



「だーかーらー。デート、行くって言ったの?王子は」



「えっ?うん」



「おっ、まずは第一段階クリアだねー」



麻紀ちゃんはそう言ってニコッと笑った



「……第一段階?」