ベリルはアレウスに運転を任せ、後部座席に移って武器の手入れを始めた。

 助手席のミレアは身を乗り出し、分解されて座席に並べられている部品を興味深げに見やる。

「銃とは、色んな部品で出来ているのですね」

 しかし思っていたよりも部品の数が少ないとも思った。もっと精密的なものかと想像していただけに、案外と簡単な造りに驚く。

「ずいぶんとまめだな」

「常に高い精度を維持しておく必要がある」

 軽い手入れを終えて組み立てた拳銃(ハンドガン)を腰の後ろに仕舞う。彼が愛用しているハンドガンはP226というものだ。

 威力があるものではないが、その使いやすさと丁寧に造られているもののため、信頼性が高い。

 次に、左脇から別のハンドガンを取り出して再び手入れを始めた。