「さびしかった…?」

「そうです」

あ然とした表情の淑恵に達郎はキッパリと言い切った。

「理花ちゃんはあなたにかまってもらいたかったんですよ」

「そんな…」

達郎の返事が予想外だったのだろう。

淑恵の表情からは戸惑いの色が消えない。

「淑恵さん、理花ちゃんが霊現象を言い出した時のこと思い出せますか?」

達郎にそう促されると、淑恵はうなずいた。

「その中で、心当たりはありませんか?」

淑恵はしばし考え込んでから、そういえばとこんな話をはじめた。

その日、淑恵は会社の仕事で遅くなりそうだったので、朝のうちから夕食の用意をしておいた。

自分が帰ったらやろうと思い、食器などの洗い物はそのままにしておくようリカちゃんに言っておいた。

そして淑恵が帰宅した時台所には割れた皿の前で泣きそうな顔になっているリカちゃんがいた。

「たぶんあたしの手伝いをしようとして洗おうとしたんだと思います」