次の朝──

「!」

 あの荷物の量はチェックアウトね……ホテルのエントランスで張り込みをしていたケイトは、現れたベリルたちを見てフロントに駆け寄り、ベリルたちのチェックアウトの手続きのあと同じようにチェックアウトした。

 入り口に駐めてあるオレンジレッドのピックアップトラックに目をやり、タクシーを探す。

「……」

 まずいわ、タクシーが1台もいない……ケイトは、少し焦ってベリルたちの車に近づいた。

「?」

 ノインは、ニコニコと笑いかけるケイトをいぶかしげに見つめる。

 これはあれだ「乗せろ」ってコト……?

「しつこいね」

「私の長所なの」

 ベリルは2人のやり取りに小さく溜息を漏らすと、諦めたように運転席側に歩き出そうとした。うか。