「おい、浅倉!」


担任に呼び止められ、少し嫌な気分になりながらも足を止める。


怒られる理由は多いので、今度は一体何なのだろう、とこめかみを押さえるのだが。



「お前、保健委員だったよな?
今日の放課後、委員会あるから出席するようにな。」


絶対サボるなよ!


そう付け加え、彼はさっさときびすを返した。


一学期が始まってすぐのこと、あみだくじで保健委員を引き当ててしまったあたし。


することなんてないので良いと思っていたが、まさかそんな面倒な役回りがあるとは。



「奈々、ファイト!」


そう、沙雪はケラケラと笑ってくれた。



「代わってよ、沙雪ー。」


「無理無理、さゆ超嫌だし!」


「じゃあ今日のショッピングは、保健委員の奈々は抜きってことで。」


横から樹里も笑う。


やたらと“保健委員”の部分を強調してくれ、あたしは肩を落とした。


てゆーかコイツ、いつの間にかすっかりいつも通りに戻ってるし。