「こっちおいで〜いいものあげる」


「……はい」



私がソウタ君の声一つで教室に足を入れたその瞬間


あいつが私を睨んだのがオーラでわかった。



ソウタ君に向けて笑った顔の緩みを元に戻し


ヒラヒラ動いていた手を後ろに回す。



見れないッッ!!



何故かわからないけど今、目を合わせたら焼き殺される!!!


………気がする。



「辞書わざわざありがとねぇ〜」



そんな事を知ってか知らずか爽やかソウタ君は


私が目の前に来るとあいつの代わりにニッコリスマイル。



とっ隣の人が怖いんですけどーぉぉ



「はい。これ」



ソウタ君がポケットから取り出したのは飴玉。



私が受け取ると周りの女の子達もいいなーとソウタ君にせがんだ。



ソウタ君はニコニコしながら皆にも配っていた。



あいつの為になにか頑張ったりするとご褒美としてソウタ君はいつも飴玉をくれる。