意識を失っていたベリルがピクリと動き、ノインは身体を強ばらせた。

「さすがに利いた」

 静かに目を開き、ゆっくり上半身を起こして頭を振る。

 その様子を見やり、ベリルの背後に広がる景色を視界全体で捉えたノインは目を丸くした。

「これ、なに?」

 ほぼ廃墟の半分が崩れ去り、眼前に空が広がっていた。

「物質Xと言った処だろう」

「“物質X”?」