レンバルトの傍は居心地が良い。

リイエンはそう感じながら傍らの男を見上げる。

膝で眠ってしまったターニャの髪を撫でる自分に凭れて、何やら本を読んでいる。

長い睫毛に縁取られた目が文章を追って行く。

その様子をこっそりと見ていたら、目を上げたレンバルトと視線が合った。

「俺に見惚れてんのか?」

「…な!何言ってるのよ!」

気付いていたらしいレンバルトのふざけた問い掛けにリイエンがすぐさま言い返す。

そんな何時もの遣り取りに、楽しそうに喉を鳴らしながらレンバルトが長い指をリイエンの唇に当てる。