11月中旬。

だんだんと寒くなってきて、ちらほらとセーターを着用する人が出てきた。

夜は昼間以上に冷え、手足の毛細血管に血が行き渡らない。

そんな日が続いたある日のこと。

突然和飛のおばあちゃんが倒れ、入院することになった。

検査の結果はただの貧血だったのだが、和飛は酷く困惑し、かなりのショックを受けていたようだった。

何しろ和飛の身寄りは祖母しかいないのだ。

あまりにも落ち込んでいる和飛を見てたまりかねた朝葉は、念のため3日入院することになったおばあちゃんのところへお見舞いに行こうと誘った。

これ以上ほっておいたら和飛のほうが病んでしまう。

初めての朝葉からしたお誘いで、ほんのちょっとだけ和飛が元気になった気がした。

そして放課後。

朝葉たちは急いで病院へ向かった。