俊介を探して校内を早足に歩く。
あの野郎…言うだけ言って逃げよってからに!!

多分今私凄い形相だと思うんだけれども、なんかわかると腹が立ってしかたない!


「わっ諱花凄い顔してるけど、なんかあった?」


角を曲がると、ちょうど歩いてきた朱里と出くわした。
そのまま朱里を空き教室まで引っ張って行き、昨日の事からさっきまでのいきさつを話す。

一通り話を聞いた朱里は、嬉しそうに笑った。

どうも朱里は俊介の気持ちを知っていたらしい。



「あ、昨日のはね?これ俊介君に内緒って言われたんだけど…諱花がこの前ペンダント欲しいって言ってたの教えてあげただけなの。
前からそういうの、諱花が言ってたら教えてって言われてたから」


要するに私絡みだったわけだ。
…うわ、顔、熱!


「な…なら何故言わない!無駄に他の相手との事とか応援してたし!!」



猛烈に照れたので思わず声を荒げて意味わからん!と机を叩く。









「そーだねぇ〜。
彼、皆に笑ってて欲しかったタイプだから、特別のなり方、わかんなくなっちゃったんじゃないかな?」



その言葉に、柔らかく微笑む朱里の優しい眼差しに、素直に、今すぐ俊介に会いたいって思った。

あいつの事好きだって、苦しいと思うくらい感じてる。


…言わなくちゃ。ちゃんと。