「私の首に手を回してしっかり、つかまってくださいね」

バードは翼のある背中に乗って言われた通りしっかりつかまった。
剣は腰に巻いた革の剣差しに差している。飛んでいく男はスワローでみずから志願した。

ここから、アレン国は飛んで半刻の距離だ。

納品を済ませたのち、バーリン村に向かう。そこまでは、また半刻だ。

ローズは二刻した頃ララミーの村に飛ぶ。

バードとローズはバーリン村の学校の見学を済ませたのち、また半刻飛んでトーリス村の学校に飛ぶ。


バードたちの準備が整ったようだ。

スワローズは崖に向かって走りだし、翼をはためかせ始めた。どんどんはためかす速さが増していって、崖をけって空中に飛び出した。

うわぁー、けっこう怖かったな。
でも、だんだん風に乗ってきてなんか気持ちいいな。見晴らしもいいし。

「いい眺めだな。素晴らしい」

「えー、そうでしょう。他の鳥に襲われないかぎり快適です。周りを注意して見ててそれらしい鳥がいたら知らせてください」

バードたちは何事もなくアレン国の城門の前に舞い降りた。