ギイィィ… 重そうな扉が開かれる。 扉の向こうは真っ暗だ。 「レイシャを返して!」 「こんな時間に尋ねてくるなんて、非常識だとおもわねぇのかよ、この野郎っ」 私と少年らしき声が重なった。 そして、二人同時にえ?と首を傾げる。 予想していた反応と違う。 暗闇の中から茶髪の少年が顔を覗かせた。 私よりも少し年下で14、5歳ぐらいである。