ぼんやりとした眼差しのまま天井を見上げる。

意識をゆっくりと夢から引き寄せて、現実を理解していく。

すぐに後悔した。

今日でナツキとの契約が切れるんだ。

思い出したくない。
目を逸らしたい事実。


ゆっくりと身を起こして、部屋を見渡す。

ナツキは居ない。

キッチンの方から音がするから、きっといつものように朝食の用意をしてるんだろう。

いつものように、か。

ナツキが俺の日常を作っている。

俺の日常の一部にナツキはきっちりと収まっている。