「う…」

 津也が目を覚ましてみると、目の前にシオンの顔があった。

 すぐに、膝枕をされていると分かった。

「俺は…生きて…る…のか?」

「当然ですわ」

 意識が定まらないまま呟く津也に、安堵したようにシオンが答える。

「死んでしまったのかと思いました」

 起きようとする津也の頭を手で押さえ、シオンは続ける。

「黒かった体が元に戻って、呼吸も落ち着いてきたので、まずは大丈夫かと」