教室に戻ると、華兎はいつもどおりに戻っていて、

さっきのことなんて無かったことになっていた。


普通に私にも話しかけてきた。


「でさぁ…ちょっ窪川聞いてる?」


そうか…今華兎と話していたんだ。


『ごっ…ごめん…で…なんだっけ…?』


「はぁ…だからな?井上が昨日の体育で骨折したらしいっていう話だよ!」


『そうだっけ…?』


「どうしたんだよ…お前…疲れてんのか?」


いちいちこちょばい言葉言いやがって……


『別に…ところで…ごめん……』


私が言うと華兎は「何が?」って顔してる。


『華兎…前に告白してくれたじゃん。なのに暁兎君と付き合うマネしちゃって』



プッ……



『プッ…?』



「自意識過剰かよ?お前…?別にもう気にしてねぇって!それに演技だって分かってるしな?そんなん気にすんなって!」


うん…ちょっと言われるって思ってた。

でも、だとしたらなんであの時、あんなに視線が痛かったの?

なんで…今にも泣きそうな顔してるの?