「あの・・・稔さん、ちょっといいですか?」



私の後ろに隠れた孫に気付いた稔さんは、鞄を下ろして立ち止まった。




「孫が来てくれてまして。稔さんに紹介したいなぁと思って。孫の美弥です」


「初めまして。美弥です。いつもおばあちゃんがお世話になってます」



ペコリと頭を下げた美弥。


「初めまして。田辺稔っていいます。美知さんにはこちらこそいつもお世話になってます」



丁寧にお辞儀をする稔さんは、やっぱりかっこいいと思った。



「イケメンですね!!」



美弥の言葉に稔さんは大声で笑い出す。



「かわいいお孫さんを持って、美知さんはいいですなぁ」



もっと3人で話していたかったのに、美弥はその場から去ろうとした。



「じゃあ、私勉強あるんで帰ります。あとはお2人でごゆっくり」




ニヤニヤしながら走り出した美弥の背中を見てると、何か緊張もほぐれてきて、楽になった。