午後18時。


所美佳は駅のトイレで化粧をなおしていた。


「美佳ちゃん、まだ行かないの? もう18時まわってるよ?」


待たされている鈴木早苗がそわそわしながら声をかける。


でも美佳はまったく急ぐそぶりを見せない。


「平気平気。ちょっと遅れていったほうが男はジラされて食いつくんだから」


「でも、さっきからメールが……」


「ほっとけばいいよ。地下だったとかなんとかいえば平気だから」


心配そうな早苗をよそに美佳は身だしなみのチェックを続けている。


これから合コンがあるだけに、普段のメイクより1、5倍は気合いが入っていた。