墓地をあとにした麻里子はひとり東京行きの新幹線に乗っていた。


こんな状態のまま東京に帰るのは不安だけど、


このままずっとあの町にいるわけにもいかない。


あの町から離れていくことで逃げられるかもという期待と、


ひとりになってしまった不安とがごちゃまぜになっていた。


でも、いまは信じるしかない。


お墓の前で手を合わせたことで、自分たちは時枝絵里香に許してもらったと……