「寒い!!!」




大きな荷物を抱えた私は、まーちゃんが待つバスの前へと向かう。




「寒いよ、まーちゃん!!」



「俺のせいじゃねーもん。バスの中は暖かいから早く乗れ!」




まーちゃんは黒くなった私の髪を見て、何も言わなかった。


気付いてるくせに。


照れてんの?




まーちゃんと同じバスがいい。


まーちゃんと隣に座りたい。




絶対に無理だけど、かすかな望みを信じて私はまーちゃんと同じバスに乗り込んだ。




「美春~!こっちこっち!」




塾に来て良かったこと。



まーちゃんに出会えたこと。


成績が少し上がったこと。



そして・・・


友達ができたこと。