6月24日

一晩中考えたけど
どうすることも出来ずに
朝になった

学校は休んだ

夕方、やつらから電話がきた

恐る恐る出ると
修理費は1千万

3日後に家へ行くから
親といろ!と言われた

めちゃくちゃだ

でも僕は何も言い返せなかった

バイトを始めて
絶好調のはずだったのに
いったい僕の何が
悪いんだ

やっとまともに
頑張りだしたのに

どうしたらいいんだ


僕はもう生きている
価値はないと思った

だけど

たとえ死んでも
みんなを苦しめることになる

1千万なんて金
どうすればいいんだ

3日後のことを考えると
頭がおかしくなりそうだった

机の上には
この間の楽器店の
コンクールの結果ハガキがあった

「特別賞」だった

小学校の時の金賞と同じだ

僕は誰にも評価してもらえない
僕は結局こんな運命なんだ

「特別賞」の文字が
涙でかすんで見えた


6月25日

考えに考えて
僕は結論を出した

こんなことが起きる前から
時々考えていた

僕は生きていても

誰からも喜ばれない

誰からも必要とされない

どうせいなくなっても
どうってことはない

生きていても
いいことなんて
僕には起こらない

疲れた

もう楽になりたい

きっと3日後
みんな僕を恨むだろう

父さんも母さんも・・

逃げることしか
思いつかない僕を
どうか許してほしい