中学3年生となった私はそれなりに恋もした。

告白される回数が5回を超える辺りから

(次告白されたら断らないでいよう。じゃないと私は死ぬまで彼氏が出来ないかもしれない)

自分に変なルールを作り、付き合ったりもした。

野球部エースの中山君。

試しに付き合ってみると意外と楽しかった。

あれだけ男に警戒して好きな人じゃないと付き合わないと決めてたが試しに付き合ってみるとわかる事もあるもんで、笑いの感性も似てて楽しかった。

夏休みに中山君と私と三宅麻央ともう一人の男子を交えた4人で市民プールに行った。

野球部の中山君は泳げないみたいで他の2人と一緒にみんな浮き輪でちゃぷちゃぷ泳いでる中、私はスイミングの時に習ったバタフライをバッシャバッシャと泳ぎまくった。

「亜依子ー!休憩しよー!」

「ごめん、後25m、10本やったら休憩行くわ」

「え」

麻央達は軽くひいてた。

これがきっかけかどうか知らないが中山君にフラれた。

「市民プールで格の違いは見せつけない方が良い」

麻央に言われた私は海やプールに行く時はバタフライを封印する事を誓った。

ちなみに男子からちょくちょく告白される事があるが私はそんな言うほど自分でも顔面の素材は良くないと思ってる。

ただそれを髪やらメイクやら服やら雰囲気で誤魔化して頑張って作ってる。

可愛いを作ってる。

ただ面と向かってブサイクと言われるとそれはそれでムカつく。傷つきはしないがムカつく。

ジャガイモが例え喋ってると思ってもジャガイモにブサイクと言われると揚げるぞこの野郎と思う。