年が明け受験モードになりクラスはピリピリしていた。

推薦で早々と決めた人達も居るがそれは一握りでほとんどは一般入試に挑む人達だった。

「ウチの親に公立落ちたら私立行かせる金ないから働けって言われてるから落ちれんわー、だる」

「まあ頑張れや!俺はもう受かったから陰ながら応援してるよ!」

「は?だる」

クラスのお調子者の岡田が

「だる過ぎて頭が渋滞してしまうわー」

と、言いながら車を運転する動きをしながらその場で床へ転げ回っていた。

「あはは」

クラスで笑いが起きた。

この動きのギャグはコント番組でお笑い芸人のニューオールドの新川(しんかわ•ボケ担当)がやっていて、小中学生が学校でこぞって真似をしていた。

そんな転げ回る岡田をナルシストの野村は

「いいよ!最高!」

と、持ち上げていた。

岡田は典型的なおバカなタイプで底抜けに明るくて元気が良い。

だけど強い者には媚びるが自分より弱いと思う者にはマウントを取りたがる性格で、その差がある為、あまりみんなから好かれてはなかった。

野村もお調子者だが茶髪のロン毛で、女子の視線が気になるのか何かやる度にチラチラ見る癖があった。

野村は中学に入り、中学生ながら日サロに通い肌も黒くしてギャル男みたいになっていた。