私も、サキちゃんのことは好意的に思っていたよ。

 あることに気付くまでは…。

 あることっていうのは、ズバリ、『サキちゃんもハヤト君が好き』ってこと。

 同じ人を好きだと、何となくそういうのって分かってしまう。これって、女子の勘? それとも、魔女の勘?

 3人で教室まで歩いていると、サキちゃんが話題を振ってきた。

「今日って、席替えだったよね? 私、窓際の席がいいなぁ」

 そうだ、席替えするんだった。

 私は窓際でも、廊下側でも、どこでもいいっ。とにかく、ハヤト君の隣の席になりたーい!

 そう思った瞬間……

 景色が歪み、グルグル旋回した。

 ヤバッ! これって、昨日の体育のときと同じ!?

 でも、昨日とは違って、すぐに元に戻って、気分が悪くなることもなかった。

 セーフ…??

 はっ!!

 窓の外から、ショコラが私を睨んでた。

 魔法、使ったわね!?

 そんな表情だった。