恋々愛は大きな目をもっと大きくして空を指さす。

まだ6時なのに、11月の寒空はもう真っ暗。

「夜のほうが昼間より楽しいだろ」

そもそも平日の夜は人少ないし、行くなら週末より断然今日。

しかも、凛音たちが先に水族館に連れていかないかめちゃくちゃ心配してたから、杞憂で終わってホッとしてるのに。

……さすがに無理強いは出来ないけど。

でも、気分転換なら悪くない提案だ思う。

「夜の、水族館……」

ボソッと呟いて、少し遠くを見つめるような恋々愛。

……これ、絶対いま想像してるな。

何をどう想像でもしてるのか、恋々愛の口角が少しずつ上がっていく。

そんなニヤニヤ顔して……どんだけわかりやすいんだよ。