「へっ?」

恋々愛ちゃんは顔を赤らめながら、キョトンと首を傾げる。

暗い顔してることにも気づかないほど、夢中に悩むなんて。

そこまで悩んでもらえるあたりもムカつく。

「少し気分転換しに行かない?」

俺はそんな恋々愛ちゃんにニコッと微笑みかけた。

凛音の煩悩なんてすぐに忘れさせるから。

今はただ、恋々愛ちゃんの視線までも独占したい──────────

* * *

「恋々愛ちゃんは何見たい?」

「んー……迷うなぁ」

恋々愛ちゃんを連れてきたのは、近くの映画館。

ここの映画館は街中じゃないだけに、人も少ないし割といい席で見ることが出来る俺の穴場スポット。