「へ? ……あっ!!」

水滴を拭っていた手が思わず止まる。

「確か、こないだ涼くんたちといた……」

「桜川恋々愛です」

「あっ、葉森凛汰です」

ーペコり。

名乗ってすらなかったことを思い出して、お互いに深々と頭を下げる私と凛汰くん。

……ってゆうか、挨拶なんかしてる場合じゃなかった!!

「ごめんなさい。私、ぼーっとしてて……」

風磨くんちの助けになるどころか、とんだ大迷惑だ。

「いや、恋々愛さんが濡れなくてよかったです!」

そう言って、びしょ濡れなことすら忘れるほどニカッと爽やかに微笑む凛汰くん。

さ、爽やかすぎて眩しい……!!