「もちろんです。屋台の人たちの楽しさが祭りを盛り上げてくれますし、大歓迎です」

…………。

「最近、足を骨折してしまって、例年のような立ち仕事は出来ないのよ。……でも、孫が今年もおばあちゃんのお店に来るって言っててね……」

「それなら、ヨーヨーすくいはどうですか? それなら座ってできますし、お孫さんも楽しめます。でも、無理はせずに、何かあれば見回りをしている生徒会を呼んでください」

……こんな梓川くん、初めて見た。

地域の人たちと楽しそうに話す梓川くん。

その顔はいつものポーカーフェイスでもはなく、作り笑顔でもなく、心の底からの優しい微笑みだった。

「これで10店舗は確定だ。残りは明日にしよう」

嘘……初日でもう半分も確定しちゃった。

「? 何だ」

「え、あ、いや……」