小学校の2年弱の間だけでも、私と道哉はとても親しくなった。

道哉の家に遊びにいったときなど、道哉のご両親…特にお母様とは、たくさん話すようになったのだが、道哉の家族はとても優しくて情深い人たちだったし、それは今も変わらない。

もしかしたら、同情もあったのかもしれないが、昔から私のことをとても可愛がってくれた。

道哉にはひとまわり歳の離れたお姉さんが居て、彼女の子供の頃の服のお下がりをくれたりもした。


いつもお世話になっている道哉の家族には、勇気を出して、私は自分の過去、そして、元々は違う名前だったことも打ち明けた。

そのことに道哉も最初は驚いていたが、

「紫苑ちゃんは紫苑ちゃんだよ…。だって、実際に今、そうなんだから」

そう言ってくれた。