ケータイ小説 野いちご

きらめく星と沈黙の月

第1章-過去の束縛-
旧校舎屋上

「私からすりゃ、1度なりとも2度も桜を信じなかった星矢を守ろうとする精神が分かんないわ」


駅前の広場で陽菜がプリプリ怒り出してしまった。


陽菜は私と逆方向に用があるらしいから、一緒に帰れるのもここまで。


でも結局、広場で一時間以上話し込んでいる。


「幼なじみより得体の知れない女を平気で選ぶような男なんだよ?思い出しただけで腹が立つんだけど」


中学の時も陽菜は碧に怒っていた。


陽菜が怒るのはもっともだし、気持ちはすごくわかる。


でも。


「碧を守ることは、チームを守ることに繋がるの。碧が調子を崩したら、藤北は甲子園に行けないかもしれないんだよ?」


エースである碧が、定期戦のように崩れてしまったら?


そうなったら甲子園は遠退いていく。


「星矢はそんなに脆くないと思う。あの真相を知ったって、そんなにダメージは受けないんじゃないの?」


「ううん。碧はさ、あぁ見えてすごく繊細なんだよ。表に出さなくても、傷つきやすいし、自分を追い込みがちなんだよ…。“他人に優しく自分に厳しく”の典型なの、碧は」

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