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｢明里(あかり)〜、今日はルンルンだね？｣

｢えーそう？まぁ今日は特別な日だからねぇ｣


私、大園 明里(オオゾノ アカリ)は、職場の同期である山下 雪(ヤマシタ ユキ)と、停車駅までの時間を共にしていた。


｢もう今日で付き合って6年かぁ〜！本当にすごいよ！おめでとう！｣

｢そう？ありがとっ｣


こんな風に軽く相槌を打ちながらも、内心、自分でも正直驚いている。

なんて言ったって私は、今までの恋愛経験から見るに、3ヶ月続けばいい方で、大体１ヶ月程度でオサラバしていたような女だ。

そんな私がもうかれこれ同じ人と6年も共にしているなんて、考えられない。


｢もうここまで来たら結婚じゃん？ほら、明里だってもう27でしょ？｣

｢もー気が早いってば！｣

｢ふふっ、結婚式は呼んでよね？｣

｢もう、雪ってば！｣


そう言っておちょくるような顔で私を見る雪に1発食らわせながらも、内心、〝結婚〟というワードにソワソワしてしまっている自分がいる。


正直、プロポーズ待ち…と言ったらなんだけど、そろそろなんじゃないかって身構えてはいる。

…だって、もうすぐ30だし。