仕えている姫君の毒殺未遂の冤罪をかけられた私ーーー舞空は、謀の罪で婚約者から婚約破棄を言い渡され、主・韋駄天様の私刑によって、早々と監獄へと護送されていた。

しかし、その時。謎の人物三人によって、私を乗せた護送車が襲撃される。



謎の人物とはーーー異世界から来たという、戦士たちだった。



その戦士たちの手によって、護送の幌馬車は破壊され、監視兵と御者は戦闘不能。

私は、少女神術士・聖威の転移術式により連れ出される。

そこで待ち受けていたのは……この天界で一、ニを争う強さと美貌を持つ【水帝天導師】竜樹様と。

私が冤罪をかけられた理由の、驚くべき仮説だった。



彼ら、異世界から来た戦士たちは、自分らの世界の『特級犯罪人』を捕まえるために、この天界にやってきた。

そして、私を断罪した韋駄天様は、その『特級犯罪人』がなりすましたニセモノで、見てはいけないものを見た私に冤罪を着せ、追放したのではないか。

伽藍様は食事に毒を盛られてはおらず、『特級犯罪人』の【被毒術式】によって、被毒したのだと。全ては、私をこの忉利天から追放するために。