善見城内で催される、騎士団主催の少年少女剣術大会。

聖威曰く、ちびっこ大会(…)。

騎士団の要職武官である韋駄天様は、主催者の一人として、この日、表舞台に姿を見せる。

一般入場も可能なこの大会に、一般観客として聖威らと共に潜入することになった。



……え、私も行くの?

私、追われてる身だけど、いいの?!



「まさか、舞空をここに一人置いて行くわけに行かないだろ。ひょっとしたら刺客が来るかもだし。それに……」



聖威が認識阻害の術式をかけていくから、大丈夫。だそうだ。

確かに。ここに一人でいるのも心細いかも。

竜樹様も「聖威らだけでは一抹の不安があるから、この世界の貴族事情を知っている舞空嬢が付き添ってくれると、助かるかもな」と仰った。

ようするに、聖威らが変なことをしないようにするための見張り役ですね……。

私が付き添うことの利点はあるようだ。



そう言うわけで、私も聖威らに同伴することに。



ーーーそして、当日。