ふぅー、疲れた。

部活を終えてようやく家まで戻ってきた俺は、ドアを開けようとしていた。


ーガチャ

、、、?

ーガチャガチャガチャ

、、、?

どれだけドアを開けようとしても、開かなかった。
考えられる理由としたらただ一つ、あいつ、つまり椿がカギをかけて出かけてしまった、ということだ。

あいつのことだから、寄り道するなんてことはあり得ないし、、、。
それに、部活にも入っていないから俺の方が早く着くなんて言うことも100パーセントないと言い切れる。




椿は昔からやけに几帳面なところがあった。親同士の仲がもともと良く、しょっちゅう遊びに連れていかれた。

初めて会った時から、俺は椿のとりこになっていたんだと思う。


ー ー ー


まず初めに連れていかれたのは、遊園地だった。あいつは確か、ヒロインが市民を助ける~みたいなよくある感じのショーが好きだった。
今ではすっかり見ることもなくなってしまったが、あの時のキラキラした目は、一生忘れない。

悲しいことがあると、すぐにしょげるところも、可愛かった。俺は、椿のことが大好きだった。