翌日。

朝、少しだけ軽く感じる瞼を開けば、ザァザァという雨の音が聞こえてきた。

ちょっと軽くなった体を起こして、緑色のカーテンを開ける。窓には大小様々なたくさんの水滴がついていた。

その水滴はどれもきれいで、まるでこの世界の美しさを表しているよう。

私は久しぶりに自然な笑みを浮かべた。

「おはよー、清加」

母がそう言って私の部屋に入ってくる。

珍しいことだけど、私のことを思ってやってくれたのだろうなと思いながら、私は挨拶を返した。

「今日はねー清加の大好物出してあげるからたまには朝食ぐらい食べなさいよ」

そう言って母は私の部屋を出ていった。

私の大好物はからあげだ。いつもレモンの汁を上にかけて食べている。

さっぱり柔らかな鶏ささみで作っていて、脂濃さとレモン汁の甘酸っぱさが上手く絡み合っていて、抜群のおいしさだ。

そのおかげで久しぶりにごはんが喉を通った。

空っぽだった腹がからあげによって満たされていく。

「いつ食べても最高だよ。母さん天才!」

おおげさだけど私はにっこり笑って母を誉めた称えた。

このからあげを食べたのもいつぶりだろうか。私はそれに懐かしさを覚えた。