ケータイ小説 野いちご

白いジャージ ~先生と私~

第2章
涙のわけ

「どした??お母さんに怒られたのか??」

心配そうな先生の顔見てたら、また涙が溢れてきた。


「もう・・やだ・・」

言葉足らずの私に、先生は不安そうな顔をしてる。

「もう帰ろうか?」

先生は私の顔をチラチラと見ながら、車のスピードを緩める。

「ううん。違うの。先生がわがまま聞いてくれて嬉しくて・・」

車をゆっくりと停めて、私の目をじっと見つめる先生。

そして、大好きな大きな手で、私のおでこに触れる。


「矢沢、正直に言ってみろ。俺を信じて・・」

先生の真剣な目は、私の心に語りかける。

先生のこと大好きっていう気持ちは、男としての好きだけじゃないんだ。

先生は、教師としても私の憧れで理想なんだ。


先生が、もしおじいちゃん先生でも私は教師としての先生が大好きだったと思う。

いつも、真剣に向き合ってくれて、生徒の言葉を軽く流さない。


「お母さんがね、泣いてたんだ。本当なら、今すぐ帰ってあげなきゃいけないってわかってる。でも、今日だけ・・・今日だけ私・・幸せな夜を過ごしてもいいよね・・」

先生は、車の窓を開け、タバコに火を付けた。

その仕草がまた私をときめかせる。

「家庭で辛いことがあるのかも知れないと、1年の時から思ってた。よく俺のところに用事もなく話しにきてたろ?」

それは・・・ただ先生が好きだからだよ・・?

「お前は、体育の授業中もよく空を見てた。でも、友達といるときはいつも笑顔で・・・友達には言えない悩みでもあんのかな・・と漠然と感じてた。」


私だけが先生を見ていると思ってた。

先生も私の気付かない所で私をちゃんと見ててくれたことが嬉しかった。

先生って本当に素晴らしい人だね。

私の目に狂いはなかった。

そんな風に生徒のこと見てくれる先生ってなかなかいない・・。


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