退院してからは怖いほどに変わったことがなかった。まるでこれから嵐でも吹き荒れるかのように……。







退院してから1週間後のある日、日直なのを忘れて、放課後に教室に残って日誌を書いていると、校門の方が騒がしくなったのがわかった。
窓から顔を出しても男子生徒が群がっているのしか分からない。








まぁなんでもいいかと、日誌に向き直った瞬間、少し息を切らした男子生徒が教室に入るなり、私の名前を呼ぶ。




「っは、いた。神崎。美人がお前を待ってるぞ」


……誰?私の周りには美人が多すぎて分からないんだよ。生徒会役員も容姿良いし、ハル達もだし。誠さんも美鈴さんも凛も。