「なでしこ、社長が呼んでる」

 「え?社長が……?」

 それからしばらくして、事務所に行くと、リュウも来ていて。社長が呼んでると言った。

 「ああ。話があるんだと」

 「話……?」

 なんだろう……。そう思ったけど、仕方なく社長のいる部屋へと向かった。

 「社長、失礼します。 なでしこです」

 「入りなさい」

 社長室に入ると、社長はわたしの方に振り返った。そして口を開いた。

 「なでしこ、あなたにいい知らせよ」

 「……いい、知らせ?」

 「ええ。あなたに雑誌の撮影の仕事と、CMの仕事が来たわよ」

 「はい……。って、ええっ!? ほ、本当ですか!?」 

 「ええ。雑誌の仕事はリュウと同じ雑誌で。CMはあなたひとり、単独でのCMよ?」
 
 「ええ……。わたし、ひとりで……?」

 そんなの自信がない。ひとりでCMの仕事なんて、わたしにはムリだよ……。

 「そうよ。あなたがドラマに出た時のプロデューサーが、あなたをCMのキャラクターに起用したいそうなの。 どう?やってみる?」