瑠衣はその日からそれまで以上に仕事に打ち込んだ。

気付けば瑠衣が社長に就任をしてから3か月。

少しずつ就任してからの業績が上がってきていることが結果として出始めていた。


新社長に対しての敵対心や不信感は徐々に社員たちから消えていた。

それは確実に数字として表れ始めた業績だけじゃなく、瑠衣が社内を自分の足でまわり、社員との距離を近付けて来たからでもあった。



杏奈は社長としての業務を外れた仕事もどんどんとこなしていく瑠衣をサポートしながら、その体を心配して、それまで以上に瑠衣を支えようと努力した。

少しでも移動の時に休めるように、朝と帰りは自分で運転をする瑠衣だが、移動するときはドライバーの仕事内容を調整して自分で運転をしなくて済むようにしたり、必ず食事をとれるように一日3食、手軽に食べられるものをテイクアウトして机に置いておいた。