翌日から 出勤する私の 心は変わっていた。


中井さんとは 今まで通り 

素気ない態度で 接したけど。


お互いに…


中井さんの 存在を感じるだけで 

私の胸は ドキドキしていた。


不意に 目が合うと 中井さんは

少しだけ 口角を上げてくれる。

誰にも 気付かれないくらいの

微かな笑顔が 私は 嬉しかった。


毎日 目の前にいるって すごくズルい。

どんなに 光司のことを 思っていても

生身の 中井さんの方が 存在感が 大きくて。


でも 中井さんは 私に 彼がいるって 知っている。

食事をした時も 思わせぶりな 態度はしなかった。


それがまた 私の心を 締め付ける。