残暑が終わり、徐々に気温が下がって涼しくなってきた10月下旬のある日。 「あんたが姫野天音?」 「え……」 たまたま先生に呼び出された昼休み。 話が終わったあと、教室に戻っている途中に。 3人の先輩たちが私に声をかけてきた。 その目は私を睨んでいるようで、ビクッと肩が跳ねて固まってしまう。 「叶人くんと付き合ってるんでしょ?」 「……っ」 先輩たちの口から橘くんの名前が出てきて、なんとなく察してしまう。