「……よし、綺麗になった」



片付いた部屋を見て、ふぅ……と息を吐く。

休ませてもらおうと思ったけど、まだ荷ほどきが終わっていないことが気になって先に片付けることにした。

時計を見ると、もう夕方の5時だ。

随分時間かかっちゃったなぁ……。

疲れたから、もうお風呂に入って寝ちゃいたい気分。

そんなことを思ったとき、部屋のドアをノックする音が聞こえた。

誰……!と一瞬身構えたけれど、すぐに「入るわよー」というお母さんの声がして、肩の力が抜けた。



「桜、ごはんよ」

「あ……はいっ」



すぐに返事をして、立ち上がる。

そのまま部屋を出ようと思ったのに、お母さんはなぜかパタリとドアを閉じて、部屋の中に入ってきた。

どうしたんだろう……?



「……ごめんね、桜」



お母さんのその言葉に、私はすぐに笑顔を作った。