翌朝、
ランニングウェアに着替えて

いつもの時間に
マンションのロビーを抜けると、

スポーツウェアを着た
遥先輩が立っていた。


「本当に一緒に走るの?」


おそるおそるたずねると、

目を細めて笑った遥先輩の笑顔が
朝日に溶ける。
 

くっ、


遥先輩の
笑顔の破壊力、半端ないな。


朝の澄んだ光に、
爽やかな笑顔を輝かせる遥先輩のことを、

エントランスを通るひとが
振り返る。


鈴之助に負けず劣らず、
遥先輩の目立ちかたも尋常じゃない。


遥先輩はそんな視線を
気に留めることなく

大きな欠伸をしながら
面倒くさそうに、
アキレス腱をのばしている。


やる気があるんだか
ないんだか……