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「それでは、第34回!星ヶ丘高等学校体育祭を始めます!」



高らかにマイクから開始宣言がされる。


体育祭、やるには絶好の晴日和です。にしても暑い。開始宣言を聞いて、理事長の話を聞く。無駄にさわやかにスーツを着こなしている父親にすごくイラついたがなんとか気を抑えた。


準備運動をしながら考える。霧雨との邂逅以降は特に奇襲攻撃はなかった。神龍が安全…だったのはいいがそれだと体育祭に来るというのは本当なのだろう。段々と緊張感が増していく神龍の雰囲気が少し苦手だった。


それでも本日は体育祭。



何があったとしても日は来るのだ。あーあ。


高校にしては珍しく運動場で体育祭をやる。珍しいのかは分からないけれど、希望さんは高校生の頃は大きな体育館を借りてそこでやっていたらしい。


何年前の話ですか、とツッコミを入れたら殴られかかった。なんとか避けて、文句を言ってきた希望さんに「教育の賜物です」とにこやかな笑みを浮かべていえば嫌味なやつだと笑われた。希望さん、そん言う人種好きなくせに。



「里香ちゃんっ!!」


解散してクラスの応援席へと戻る。並びは自由らしいが、千歩と永富に私とメンツは変わらない。


学年が違ってもクラス同士で固まっているらしく、神龍幹部は皆A組なので必然的にメンツは近くなった。


「にしても全員同じか〜。つまらないね〜。」