ドンドンっと強く扉を叩かれて私は声にならない悲鳴を上げた。だが。
「すみません! 手を貸してください!」
「頼む!」
聞こえてきたのはそんな切羽詰った声で私たちは顔を見合わせた。海賊ではなくこの船の乗組員たちのようだ。
セリーンが鍵は開けずにどうしたと大声で訊ねる。
「傭兵がひとりも乗船してねーんだ!」
「助けてください!」
「……どういうことだ」
ラグが小さく呟き立ち上がった。
(1stの傭兵が何人が乗っているはずじゃなかったの……?)
更に必死な声は続いた。
「あんた傭兵だろう!」
「お願いします!」
「このままじゃ荷物全部奪われちまう!」