私を見ながら、目を見開いているなっちゃんと舜先輩と滝先輩。
たらりと、冷や汗が頬を伝った。
「……本当に、サラ……なのか?」
ひどく動揺した様子でそう聞いてくる滝先輩の姿に、ハッとした。
逃げるなら、今しかないっ……!
私は窓から外に出て、全力で駆けた。
「待って……!!」
呼び止めるなっちゃんの声を無視して——。
「はぁ、はっ……」
な、なんとか、逃げ切れたかなっ……。
人影も足音もなくなったことを確認して、安堵の息を吐く。
ここ、どこだろう……。とにかく誰にも会わないように、抜け道のような場所を選んで走ってきた。
おかげで人気のないところに来れたけど……薄暗くなってきたし、な、なんだか怖いっ……。