他のみんなは話があるそうで、ひとりで生徒会室を出た。

 ひとりで帰るのは久しぶりで、吹きつける秋風の冷たさも合間って寂しさを感じる。



『由姫、そろそろ帰るか?』



 蓮さんの笑顔と優しい声が脳裏をよぎって、胸が痛んだ。

 蓮さんに、会いたいな……。

 今朝、一瞬だけ会えたけど……今度は、ちゃんと、話したい。

 今なら、蓮さんに話せる気がした。私のこと、全部。

 そして……ごめんなさいって、謝りたい。

 でも……それは私の勝手だから……蓮さんが、私の話を聞いてやってもいいって思ってくれる時が来たら、話したい。

 傘を差して、校舎から出る。

 今朝から降ってる雨は勢いを増していて、傘に当たり激しく音を立てていた。


 家に帰ってきて、すぐに食事とお風呂を済ませた。

 雨、すごいなぁ……。

 明日はやむって言ってるけど……ほんとかな。

 眠気に誘われ、あくびが出る。

 そろそろ、寝ようかな……。

 そう思った時だった。



 ――ゴロゴロゴロ!!



「……っ!?」

 大きな、雷の音が轟いた。