ケータイ小説 野いちご

黒桜蝶〜夜桜に蝶が舞う時、私は恋をする〜

王子様に出会いました
女だけどケンカします

「ひぃいぃ!!ゆ、許してっ!」


「…いや」


「ぐは…っ!」


…そんなに許しを乞うなら最初からしなかったらいいのに。


本当にバカな大人だ。


弱いものをイジメて自分が優位に立ったと勘違いして。


イジメられたものはずっと心に残る。


そしてイジメた者も、最初は空いた心の穴を塞ぐようなもので、楽しいと感じたりするだろう。


でもそれも最初だけ。


結局最後に残るのは悲しみと後悔なのだ。


そしてそれはいつか自分に返ってくる。


それに早く気づけるものもいるが、こうしてなかなか気づかない人もいる。


本当に可哀想な人。



「伊桜里さん!こんなところにいた!総長が探してましたよ!」


「…すぐに行く」


榛葉 伊桜里-シンバ イオリ-。


それが私の名前。


〝総長〟


その言葉でもう気づいた人もいるかもしれない。


私はある族の幹部補佐をしているんだ。


ケンカなんて男がするものだって。


みんなそう言うんだ。














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