バイトを始めて二ヶ月が経った。
 十時にバイト先、シュシュルフランに入り、掃除をして賄いを頂く。可愛らしいエプロンつきのメイド服のような制服に着替えて、十一時から開店。
 お昼の時間は注文を取ったり運んだりで、てんやわんやだ。

 シュシュルフランにはカウンターの店長さんの他に、もう一人働いている人がいた。
 厨房の平煉(ヘイネル)さんだ。
 平煉さんは、中年男性で、わりと筋肉質。日焼けをしていて、肌が浅黒い。髪は坊主に近い短髪で、金というよりは、白髪といった感じだ。

 ちなみに店長さん(こと、カウンターの店員)は、黒に近い茶髪の短髪に、黒い瞳だった。ただ、店長さん――(本名は夕弦(ユウズル)さんという)は、よく見ると、黒目の中に金色が混じっている。
 不思議な目だなぁ……と、見るたびに思う。