翌日の朝、私は昨日と同じように義昭と向かい合って座り口を開く。義昭は昨日と変わらずに無表情だ。

「昨日は縄文時代の話をしたから、今日は弥生時代ね。弥生時代に何が起こったのか覚えてる?」

「知るか。バカ」

「一言多い!てか、ひど!!」

私はそう言って説明を始めた。

「稲作の本格的な開始と金属器・弥生土器の使用が特徴。稲作の関係で水田の近くに集落を作るようになった。稲作が盛んになると、食料などを巡って争いが起こるようになり、いくつかの村を従えた小さな国が各地に生まれた時代だよ。義昭、稲作はどこから伝わって来たと思う?ヒントは九州北部の近く」

私が義昭に問いかけると、義昭は「……朝鮮半島か?」と答えてくれた。

「正解!九州北部に伝わった稲作は、東日本にまで伝わり、日本の大部分が食料を生産する時代になったと言われているんだ。収穫した米は、湿気やねずみなどの害を防ぐために床を高くした、高床倉庫と呼ばれる倉に保管するようになったんだ」

「この頃、縄文土器から高音に焼かれて薄手だが丈夫な弥生土器が使わるようになったんだよ。弥生時代になると、金属で作られた道具の金属器や青銅器、鉄器が朝鮮半島から伝わるんだよ。青銅器は、主に祭りの宝物として用いられたそうなんだ」